巨人が劇的なサヨナラ勝ちを収め、広島戦初勝利でついに単独2位に浮上した。延長12回、土壇場で試合を決めたのは、15年目のベテラン・甲斐。プロ初のサヨナラ打で試合に幕を下ろした。
この試合、序盤はキャベッジの一振りが試合を動かす。2回、岡本の四球から2死となるも、キャベッジが甘い直球をとらえ、右翼席へ4号2ラン。勢いに乗ったかと思われた巨人だったが、井上が4回に4番・末包に同点2ラン、さらに6回には2死から小園、末包に連打を浴び逆転を許してしまう。
しかしこの日は最後まで諦めなかった。9回裏、2死一塁の場面で三ゴロに倒れたかと思われた若林の打球を、遊撃・小園が悪送球。代走・増田大が一気にホームへ滑り込み、土壇場で3−3の同点に追いつく。
延長戦は両チームのリリーフ陣が粘る展開となったが、11回、12回とマウンドに上がった大勢が圧巻の投球を見せる。11回には3者連続三振、12回も走者を出しながらゼロで切り抜け、流れを完全に引き寄せた。
迎えた12回裏、吉川、岡本の連打で無死一、二塁とすると、門脇がきっちり犠打で送り、二、三塁。最後は甲斐が中堅へ犠牲フライを放ち、歓喜のサヨナラ勝利。甲斐にとってはプロ15年目にして初のサヨナラ打となった。
阪神が中日に敗れたため、巨人はゲーム差を0.5に縮め、2位に浮上。混戦のセ・リーグで、勢いは確実に巨人に傾きつつある。若手とベテランが融合し、粘り強さを見せたこの試合は、今後のシーズンを占う上でも象徴的な一戦だった。